第二十七候 梅子黄 (うめのみきばむ) | 七十二候

七十二候

七十二候「梅子黄(うめのみきばむ)」は、青々とした梅の実が黄色く色づき始める頃を表します。梅雨の湿り気の中で熟す梅は、初夏を象徴する果実として暮らしに深く結びついてきました。

梅子黄とはどんな季節か

「梅子黄」は二十四節気「芒種」の末候にあたり、例年6月中旬から下旬に訪れます。梅雨の真っ只中で、大地は雨に潤い、果実が色づき始める時期です。

梅の実は、初夏の湿った空気の中で次第に黄味を帯び、収穫の合図を告げてくれます。

梅子黄は、自然の循環を映し出すとともに、暮らしのリズムを整える節目の候でもあります。

梅の実と日本の暮らし

梅は古くから薬効がある果実として親しまれ、保存食や調味料の材料として利用されてきました。梅干しや梅酒はその代表格です。

梅雨の時期に実を漬け込み、夏を元気に過ごすための食文化が各地で根付いています。

梅子黄の候は、食と健康を結びつけた日本人の知恵を感じられる季節です。

梅雨と梅の関わり

「梅雨」という言葉は、梅の実が熟す時期に降る雨に由来するともいわれています。梅子黄はその名の通り、梅と季節の結びつきを象徴します。

長雨は暮らしに不便をもたらしますが、農作物や果実を実らせる大切な恵みでもあります。

梅の実の色づきは、梅雨の意義をあらためて思い出させてくれる自然のサインです。

文化に残る梅の実

梅は冬に咲く花としても親しまれますが、実は「忍耐」や「健康」を象徴する存在として文化に根づいてきました。

和歌や俳句でも梅の花や実は季節を表す言葉として詠まれ、暮らしや心情を彩ってきました。

梅子黄の候は、自然と文化が織り交ざる日本人の美意識を感じさせます。

梅子黄を日常に取り入れる

この時期は梅仕事の季節。梅干しや梅シロップを仕込むことで、季節を味覚で楽しむことができます。

また、梅にちなんだ和菓子や茶席を取り入れるのも、日常に涼やかな彩りを添える工夫です。

七十二候「梅子黄」を意識することで、梅雨を前向きに受け止め、自然と調和した暮らしを楽しめるでしょう。

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