第三十二候 蓮始開 (はすはじめてひらく) | 七十二候

七十二候

七十二候「蓮始開(はすはじめてひらく)」は、蓮の花が池や沼で咲き始める頃を表します。早朝に静かに開く蓮は、夏の朝を彩り、清らかな美しさを届けてくれる花です。

蓮始開とはどんな季節か

「蓮始開」は二十四節気「小暑」の次候にあたり、例年7月上旬から中旬頃を示します。夏本番の暑さが近づき、池や沼には凛と咲く蓮の姿が見られる時期です。

蓮は夜明けとともに花を開き、昼頃には閉じるという独特のリズムで咲き進みます。数日かけて開閉を繰り返すのが特徴です。

その清らかで神秘的な姿は、夏の訪れを告げる花として古くから親しまれてきました。

蓮と日本文化

蓮は仏教と深く関わり、「極楽浄土に咲く花」として尊ばれてきました。寺院の池に蓮が多く植えられているのもそのためです。

また、和歌や俳句にも蓮は登場し、涼やかさや清浄さを象徴する題材となってきました。

蓮始開の候は、宗教や文化の中で人々に安らぎを与えてきた花を思い起こさせる時期でもあります。

自然の中に見る蓮の姿

夏の朝、池に広がる大きな葉の間から凛と咲く蓮は、心を落ち着ける美しさを持っています。露をまとった葉もまた涼やかです。

花びらは淡い桃色や白色が多く、水面に映る姿はまさに自然の芸術といえるでしょう。

蓮の咲く風景は、暑さを忘れさせる涼感を与え、夏の魅力を一層引き立てます。

蓮と暮らしの結びつき

蓮は花だけでなく、種子や根も食用や薬用として古くから利用されてきました。蓮根は栄養価が高く、体を整える食材として親しまれています。

また、蓮の実は滋養に富み、中国や日本では長寿や健康を願う食材として取り入れられてきました。

蓮始開の候は、自然の美と恵みが人々の暮らしを豊かにしてきたことを感じる時期です。

蓮始開を日常に取り入れる

早朝に蓮の花を観に行くのは、この季節ならではの楽しみです。静けさの中で咲く花に触れると、心が洗われるような気持ちになります。

また、蓮をモチーフにした和菓子や工芸品に触れることで、暮らしの中に涼やかさを取り入れることができます。

七十二候「蓮始開」を意識することで、暑い夏の日々にも清らかさを感じながら過ごすことができるでしょう。

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