第三十五候 土潤溽暑(つちうるおいてむしあつし) | 七十二候

七十二候

七十二候「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」は、雨を含んだ大地が湿り、蒸し暑さが増す頃を表します。夏の盛りを象徴する候で、体感としても一年で最も厳しい暑さを迎えます。

土潤溽暑とはどんな季節か

「土潤溽暑」は二十四節気「大暑」の次候にあたり、7月下旬にあたります。梅雨明けの雨を含んだ土が熱を帯び、蒸し暑さが極まる頃です。

「溽暑(じょくしょ)」とは湿気を伴う厳しい暑さを意味し、空気が重たく感じられるのもこの時期ならではです。

自然の厳しさを体感する一方で、夏の風物詩や季節の恵みを強く感じられる節目でもあります。

自然が見せる夏の表情

大地が雨を含んで潤う一方で、気温と湿度の高さが重なり、蒸し暑さは体に堪えるほどになります。

蝉の声が一層力強く響き、真夏の到来を告げる自然の合唱が街や里山を包みます。

草木も濃い緑に覆われ、太陽の光を浴びながら勢いよく成長していく時期です。

溽暑と人々の暮らし

溽暑の候は、昔から体調を崩しやすい時期とされ、食養生や涼を取る工夫が欠かせませんでした。

打ち水や簾(すだれ)、風鈴など、日本の夏の暮らしの知恵はこの時期に培われてきました。

自然と調和しながら暑さを乗り越える知恵が、現代の生活にも受け継がれています。

食卓に広がる夏の恵み

この時期は、夏野菜や果物が豊富に実る季節でもあります。きゅうりやなす、スイカなどは体を冷やし、暑気払いに最適です。

また、うなぎや豆腐といった栄養価の高い食材も取り入れられ、夏バテ防止の食卓が工夫されてきました。

「土潤溽暑」は、自然の厳しさの中にある豊かな実りを味わう季節でもあるのです。

土潤溽暑を日常に取り入れる

暑さを和らげるために、朝や夕方の涼しい時間を活用して外に出てみましょう。自然の移ろいを感じやすくなります。

また、旬の食材や伝統的な涼の工夫を取り入れることで、七十二候を暮らしに生かすことができます。

「土潤溽暑」を意識して過ごすことで、厳しい夏も自然と寄り添いながら豊かに楽しむことができるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました